今年の白馬岩岳は、とんでもないドラマが待っていた!
SHIMANO ENS2025シリーズの第3戦の舞台は、新調されたゴンドラと、年々ブラッシュアップを重ねるコースが自慢の白馬岩岳。国内屈指のスムーズでフローなコースは、まさにライダーにとって至福。
今年は週末に雨に見舞われることが多かったが、この大会は金土日と奇跡の快晴に恵まれ、土曜日の試走からコースは最高のコンディションだった。
短くも熾烈なS1
レースは超ショートなS1、超ロングなS2、そしてS1を再び使用するS3という変則3ステージで幕を開けた。
S1で35秒台というトップタイムを叩き出したのは、土屋聖眞(カトーサイクル)! 幾田悠雅(輪娯館/vittoria)、朝倉佑太が僅差で続く息をのむ展開だ。
幾田悠雅、まさかの転倒「それでも」スーパーラン!
そして迎えたS2。ここで会場を揺るがしたのは清水一輝(BLAZE A TRAIL)8分11秒台という驚異的なタイムを叩き出し、それまでにゴールした他クラスのタイムを圧倒する走りに、会場は熱狂の渦に包まれた。
しかし土屋聖眞も負けていない。
清水を0.7秒ほど上回る8分10秒台をマークし、王座への執念を見せつけた。
誰もが固唾を飲んで見守る中、最終走者として登場したのはディフェンディングチャンピオンの幾田悠雅!。
メインエリアから見えるセクションに、それまでの清水や土屋を明らかに上回るスピードで飛び込んでくる! 「これは大幅なタイム更新か!?」と誰もが期待に胸を膨らませたその時、まさかの事態が起こった! なんと、最終コーナーで幾田が転倒! バイクにまたがることなく、押してゴールを切ることに!
「これで万事休すか…」誰もがそう思った次の瞬間、幾田のタイムに会場は再び驚きに包まれた! 土屋を2.75秒も上回る8分7秒62! まさかの転倒がありながらも、幾田が披露したのはまさにスーパーランだった。
最終S3、土屋の猛攻と幾田の冷静な勝利!
合計タイムで幾田が土屋を2.5秒リードして迎えたS3。後がない土屋聖眞は、渾身のアタックでこの日唯一の34秒台となる34秒79を叩き出す! しかし、2秒のアドバンテージを持つ幾田悠雅は冷静だった。安定した走りで35秒39をマークし、合計タイムで土屋を2秒上回り、今季初優勝を飾った!
今回の大会は、全ステージのゴールがコールアップエリア、ブース、参加者駐車場が集まるエリアに設定されていたため、MCの情報が届きやすく、観戦しやすい環境だったことも盛り上がりに拍車をかけた。そして何よりも、トップライダーたちが演じた劇的なレース展開が、白馬岩岳を忘れられない興奮で満たした一日となったことだろう。

